ゼロから覚えていった「漫画の描き方」

漫画を本格的に描き始めたのは商業で仕事を始めてからだそうですが、漫画の描き方はどのようにして学んでいったのでしょうか?

とーこ1巻の5話くらい、ちょうど喫茶甘咲が出てくる話までは、ほんっとに何も考えていなくて(笑)  単行本では調整してあるんですけど、雑誌掲載版だと描いちゃいけない部分にまで余裕で描きこんでいるんですよね。ページのノド部分に危険なぐらい入り込んでいて、キャラクターの顔が完全に隠れていることもありました。1話とかよく雑誌に載ったな……と今なら思います(笑) できれば1巻は燃やしてなかったことにしたいくらいです……そういうのが5~6話続いたせいで担当さんに「自分の表現をすること云々より前に、まずはちゃんと伝わるように描けるようになろう」と言われたんです。そこから担当さんに教えてもらいながら、すこしずつ学んでいきました。担当さんの言うことは現場の言葉なんで間違いないだろうと。4年経った今でも勉強中です。担当さんには、勉強させてもらったという感謝の気持ちで一杯です。

ネームの切り方を教えてください。

とーこ結構コロコロ変わっていて、4巻ぐらいまでは4行くらいの起承転結を文字だけで書いたプロットを担当さんとの打ち合わせの日までに準備して、雑談しながら担当さんと「こういう話の流れにしたら楽しいかな」というのを決めて、家に帰ってネームを描くという感じでした。
ですが、ネームを描くときの方針が6巻くらいから「とにかく脳内にあるものを全部ぶちまけよう」という風に変わったんです。とりあえず頭の中にあるものを文字や台詞で、ページ数を気にせず、そのアイディアを使うか使わないも考えず、ばーっと出してしまうんです。それを見ながらネームを描き、担当さんと編集長のチェックを受けて次へ、みたいな感じになっています。

ネームを描いているときに意識していることはありますか?

とーこ頭に映像を浮かべながら、それを書きとっている感じです。
とはいえ「薄子さん」に関していうと、30分くらいキャラクターが喋っているのを、そのままネームにしたら結局20ページくらいになって、それを読まされる読者は「日常の風景だけど、このくだりってあとにいかされるの」「ここまで読んだ結果どうなるの」みたいな感じになっちゃうと思います。なので30分くらいの会話を、10ページで伝わるよう、きゅうっと圧縮したり脚色したり削ったりしながらネームにしている感じですね。

それでは次に、現在の作画行程を教えてください。

とーこ下書きまではアナログで、描き終わったらスキャンしてコミスタで作業します。コミスタ以前はコミックワークスで描いていたんですけど、ちょっと自分に合わなかったのでコミスタを導入しました。そしたらすごく描きやすくて、3巻くらいから線の感じなどにはっきりと現れていると思います。それと5巻からはアシスタントさんが入っているので、背景は問題ない感じになっていると思います!

アシスタントさんを導入しようと思ったきっかけは?

とーこ本当は自分で全部モブとか背景を描きたいんですけど、時間も足らないし技術も追いつかなくなってきたので、アシスタントさんを募集しました。
アシスタントさんが素敵な作画を描いてくれるので、アシスタントさんの原稿と合体するときがすごく楽しいです。「うわー綺麗!」と思い、私も頑張らなきゃという気持ちになります。基本漫画家は一人で絵を描いているので、そういう仲間みたいな人がいるのはすごくいいですね。