アワーズにて好評連載中!『スピリットサークル』

この作品の着想はどこから得られたのでしょうか?

水上『スピリットサークル』は最初に思いついたのがラストでした。さみだれの最終回直前を描いているあたりで、『スピリットサークル』の最終回がどういう風になるかということが、ほんの瞬間だけ思いついたんです。逆にはじめの方はまったく思いついてなくて、連載直前になるまで主人公の風太とヒロインの鉱子というキャラクターはまったく考えていませんでした。最初の構想では、手塚治虫先生の『火の鳥』における我王のような、決まったキャラクターを何人か置いて、そいつらの人生をワンエピソードとして3~4話ずつでずっと描いていこうという予定でした。風太よりもルンのほうが先にイメージとしてはありました。最初はルンを、『火の鳥』の火の鳥のような大きさを持ったキャラクターにしようと思っていたんだけど、なかなか思うように動かなかったんです。

そこから現在のような形になったのはどういった経緯があったのでしょうか?

水上連載開始直前に、編集長から「次の話はどんな感じ?」とせっつかれ、慌てて構成を考えたときにもどうしても第1話が思いつかなくて……それで結局、構成が上手くいってないのは自分がかっこつけて『火の鳥』に寄せようとしすぎたのが原因だと思ったんです。そこで急遽、全体を通しての主人公というのを作ったほうが良いと思って出したのが風太です。やっぱり最初は現代で、読者に足を付けてもらってから物語に入っていった方が良いかなと。

今後独立しているそれぞれのエピソードが連関していくのでしょうか?

水上それは描きながら考えている感じですね。最終回のイメージと、どこかで今までの伏線を収束させていくことだけ考えていて、残りの過去生が何編になるかも考えていません。連載前に決まっていたのはエジプト編ぐらいまでで、それ以降はまったく決まっていないです。ですので、毎回割と手探りで描いています。ラストが決まっていればどうにかなるなとは思っているので、未来の自分がなんとかしてくれることを信じ(笑)、伏線は思いついたときにその都度入れるようにしています。

それでは最後に、漫画家を目指す学生の方にメッセージをお願いします!

水上漫画家志望者に限らず、自分がどんな一生を過ごしたい考えるために、50,60代の自分を、それが無理だったら10~20年後の自分を1度想像してみるのが良いと思います。
それを踏まえたうえで、漫画家志望者にいえるのは「無理してなることはない」ということです。なんとなく「漫画家先生」というものになりたいと思っているのか、自分があと3~40年間毎日漫画を描き続ける生活をするという覚悟ができているのか、それこそ60歳の自分を思い描いてみてください。
志望者は「漫画家なんてやめとけ」とかいろんなことを周りから言われるだろうけど、それでも毎日なんとなく漫画を描いているやつがなんとなく漫画家になっていくだけです。自分も「君は漫画家に向いてない」と編集に言われたことがありますが、今更ほかのことができる気がしなくて、「漫画家を諦める」という選択肢は思いつきませんでした。だから漫画家になる奴に言うことはあまりないですね。そういう人は、ほっといても勝手になっていきますから、ただ「描け、そしてなれ」としか言えない。
むしろ漫画家になりたいという気持ちだけがなんとなくあって、漫画もたまにしか描かない、毎日漫画のことを考えている訳でもなくただぼんやりと日々を過ごしているような子のほうが後々過酷な人生を歩むかもしれないので、大事な言葉をかけてやりたいなとは、常々思っています。

水上悟志先生サイン

 


せんちゃん(眉ほそ)あたたメモ
個人的な話をさせてください。自分が高校時代1番ハマったバトル漫画が『惑星のさみだれ』でした。水上先生の手がける作品が描くカタルシスの凄さは異常です!まだ手にしていない方、全ての著作を揃えていない方、是非全作品も揃えることを強く強くオススメします!


 

文責:あたた(@atatakeuchi)