『満ちても欠けても』―ラジオ業界の裏側を描いたオムニバス・ストーリー―

あとがきを読む限り、こちらの作品も担当さんに言われて執筆を始めたようなのですが。

フーカ担当さんが、私のことを知らない間からずっと「ラジオの漫画を作ってみたい」と思っていた編集さんだったんです。私もラジオは少し聞いていたので、それなら描いてみませんかとお話を頂いて、またしても「とにかくやってみます」精神でお受けしました。

作品を作るに当たって、ラジオについて相当調べたそうですね。

フーカ実際にラジオ局にも取材に行ったんですけど、現場はめちゃくちゃ熱くて、何よりどこの部署にいっても誰に聞いても、皆さん本当にラジオが好きなんですよ!私はニッポン放送さんに取材に行ったんですけど、「ニッポン放送のことを宣伝してくれ」とは絶対に言われないんです。とにかく「ラジオを盛り上げてください」といわれ、これは本物だ!と思いました。それは、すごいプレッシャーでもあるんです。こんなにラジオに命を掛けている人達がいることを漫画で描くのは本当に大変なんですけど、少しでもラジオのことを紹介するお手伝いができたらな、と思って始めました。

一度にはがきからネット投稿まで、同時に処理してしまうライターさんの超人芸など、それこそ「漫画か!?」というようなエピソードが出てくるのですが……

フーカあれは本当にそのまんまなんです。全然盛っていないというか、むしろもっとすごいところはいっぱいあるんですけど、まだ漫画で描けていない(笑)  本当に「びっくり人間大会か」って思えることが沢山あります。今言ってもネタバレになってしまうので、早く漫画で描きたいです!

1話完結のオムニバス形式を取られていますが、このような形は当初から考えていたんでしょうか?

フーカそれは最初の連載案の頃から決まっていました。一人視点では、とてもじゃないけどラジオ局のすべては描けないと思ったんです。いろんな部署のいろんな人が、自分の専門を持って頑張っているところなので。毎回違う主人公で、いろんな人をいろんな人の目線で、いかに皆が「ラジオ好きか」を描いていけたら素敵だなと思って描いています。

アナウンサーのような華やかな職業だけでなく、ミキサーなど裏方として中々スポットが当たらない人達にも光を当てていくのが、この作品の大きな魅力の一つだと思っております。

フーカ「ラジオバカ」みたいな、「~バカ」って言い方するじゃないですか。自分はそういう人達が大好きなんです。ウチの両親も造園やっていて、「造園バカ」なんですよね。もう本当にそれ以外は残念なことがいっぱいあるんですけど、造園やっているときは本当に格好良いな!と思います。造園に詳しい偉い教授とかと3人くらいで喋っていると、まったく人の話を聞かずに全員違うことを「それは違う!これはこうだ!」と喋りながら、すごい喧嘩とか始めるんですよね。とても偉い人達なのに、ものすっごい「造園バカ」なんですよ皆さん(笑)
「そのことをやりだすと他のことはまったく手につかないけど、それだけは好きでやらせるとものすごい」人達が、自分は大好きなのでそういう人がいることを知るとどうしても持ち上げたくなってしまいます。バカは格好良いというか、バカなんだけど仕事をやらせるとすごいという「ギャップ」ってすごく良いじゃないですか。
とにかく職業ものをこんなに取材させてもらって描くのは初めてなので、今は1番大変だなと思いながら描いています。毎回毎回手探りで勉強しながら描いているので、どこまで描かせてもらえるのかわからないんですが、連載の続く限り頑張ります!

最後に漫画家を目指す学生の方へメッセージを!

フーカ今はネットという発表の場があるのがすごく良いことだと思うんですよ。自分も当時の同級生に、「自分のホームページを持ったら絶対変わるからやったほうが良い」と言われたことがあります。漫画っていろんな人に見てもらうために描くじゃないですか。「自分のためだけじゃなくて、見る人の目線を考えて描くためにもやれ!」と言われ、自分のホームページを始めました。ネットだと作品を見てくれる人は世界中にいるので、「見る人を意識して描く」という環境を誰でも作れるのは、やっぱりネットのすごいところだと思います。
それと私が自分自身を振り返って、大事だったと思うのは「作品を完成させること」です。なんでもいいので、とにかく終わりまで描くこと。絶対無駄にはならずに、全てが身になるはずです。そして、その作品を直していくよりもすぐに発表して次に取り掛った方が良いです。「ここがダメだった」というのはいくらでも出てくるので、直していたら一生かけても終わらないので(笑)

fuka


せんちゃん(眉ほそ)あたたメモ
自分が触れたことが少ないジャンルであっても果敢に挑戦され、ハイクオリティな作品をコンスタントに世に送り出すフーカ先生。次はいったいどんな作品を僕達に見せてくれるのか、今から楽しみでなりません!


 

文責:あたた(@atatakeuchi)