4月30日最新3巻発売!『14歳の恋』

ストーリー漫画のときのネームの切り方を教えてください。

フーカ最初にプロットの提出があるので、まずは簡単な起承転結のプロットを書きます。OKを頂いたあと、私は文字だけのシナリオを書きだすようにしています。台詞や、こんな顔をするとかここで間(ま)を入れるとか、こういうコマ割にするとかなどのト書きのようなものをばーっと書き出していきます。言葉にしようがないときは顔文字とかも使います(笑) あとはそれをネームに起こしていきます。
美術でおっきな絵を描くとき、まず小さな紙で構図を決めてから大きなキャンバスに描き写すという方法があるんですが、そのとき描く小さい絵の方を「エスキース」っていうんです。それを自分は漫画でもやっていて、ちっちゃい紙に枠を描いて、そこにコマ割を描いてミニネームを作ります。最初にページを割り振らずに頭から描きはじめて、あとあとページが足りないとか多かったりするとそこから調整するのは大変なので、小さいネームで調整してから普通のネーム用紙に移すようにしています。

現在「楽園」で連載中の『14歳の恋』は、ストーリーの流れというよりもテンポや間、ちょっとした日常の一場面を切り取ることに重点を置かれているように感じます。

フーカ確かにどんどん話が進んでいくようなものではありませんよね。編集さんには「毎日の出来事を、1日1話ずつで描いていっても良いです」と言われておりまして、そこは意識して描いているつもりです。
1日の、たとえば4時間ぐらいのことを32ページで描こうとすると、その「体感時間の長さ」を表現するのが大切になると思います。ただ、ここの出来事を体感時間を引き伸ばしてしっかりと描きたい、ここでこう視線が動いてとか、主人公の二人がどういう位置関係にいるのかとか、そういうところまで描こうとするとすごいページ数を喰うんです。ただ二人を写しているだけのコマだったり、黙って二人で見つめ合っているだけのシーンが多かったり。描いている方は冷めていることも多いので、つい「喋れよ」とか「にこ、じゃねーよ」とツッコミを入れたくなっちゃうんですけど(笑)
ともあれ、手のちょっとした動きを大きなコマでどーんと見せたりとかそんなことができるのは、贅沢なほどのページ数を頂いているからだと思っています。そういうのを許してもらっているのは幸せだなと。「こんな手だけ描いている1ページで原稿料もらってすみません」とは割とよく思います(笑)

そういった演出もとても素晴らしいのですが、「キャラクターの表情の描き分け」にも目を見張るものがあると感じます。

フーカ表情を描くのは本当に大好きなので、かなり大事にしているポイントです。「その瞬間にしかできない顔」ってあるじゃないですか。そういうのを描けたらなと思っています。専門学校のとき「喜怒哀楽の表情を描きましょう」という課題が出され、「嬉」にもいろいろあるじゃん!と思って、「すごく喜ぶ」とか「ちょっとだけ喜ぶ」とか、やりすぎって言われるほどめちゃくちゃたくさん描いていったこともありました(笑)
言葉とは違って表情を伝えるのは本当に難しいんですけど、できるだけ細心の注意を払って描いているつもりです。唇の上にトーンを少し乗せたりするんですけど、それが入っているといないでは伝わり方が全然違うんです。あと、鉛筆で描く下書きの方が好きというか得意なんですけど、ペンで描いたときにちゃんと鉛筆の絵との差がないかは気をつけています。

毎回のエピソードはどのように考えているのでしょうか。

フーカ席替えとかフォークダンスとか、毎回のお題をまず自分の中で決めて、じゃあフォークダンスだったらこの二人はどうするのか、どうしたらこの二人が困るのかだったり読んでて面白くなるのかなどを考えていきます。キャラクターを中心に考えている感じですね。
基本は、中学生のころの思い出を元に描いていることが多いです。別にこんな甘酸っぱいことがあった訳ではないんですけど(笑)、クラスの雰囲気ですとか、廊下の床や壁が冷たかったとか、そういう感覚ってあの頃だけのものじゃないですか。その頃の感覚を思い出して、引き伸ばしに引き伸ばして描いている感じです。