まずはキャラクターが第一!えのきづ先生の仕事現場

作品制作において、気を付けているポイントを教えてください。

えのきづセリフ中心な4コマが多いというのもあるんですけど、セリフは毎回特に頑張って考えています。同じ話の内容にするのにしても、言い回しの違いでイメージが変わってきたりしますので、そういった所の微調整ですね。なので自分のネームはほぼセリフのネームと言っていいですね。絵を描かないでセリフだけ入れていくこともありますし、ネームに絵を入れることはあってもそのままで描くことはあまりなくって、絵の方は実際に原稿を描く時に決めることが多いです。

ネタ出しなどはどのようにされていますか?

えのきづ作業はネームや作画含めてすべてパソコンでやっているので、思いついたネタは全部パソコンにメモしています。こういう話を今後描きたいなというのもありますし、ちょっとした、たとえば「今自分が気になる萌えポイント」みたいな(笑)、どうでもいいものなど使う予定がないのも含めて、ちょっとでも気になったことはなるべくメモして書き溜めています。琴浦さんにこういう表情をさせたい!といった結果が先にあって、そこまでの過程を後から考えたりという話の作り方もあります。

物語展開において、読者の意見をかなり取り入れられていると伺ったのですが。

えのきづかなり影響を受けますよね。皆がこういった展開は予想しているだろうというのを想像した上で、あえて避けるように逆張りする時もあります。まあ『琴浦さん』の第3部みたいに、逆を狙いすぎて行き過ぎちゃうこともあるんですが(笑)

あそこは色んな意味で衝撃的なラストでした(笑) とにかくどの作品に関しても、キャラクターが作品内を自由に動き回っているイメージがあります。

えのきづ自分は基本的にキャラクター重視というか、キャラさえ作れば後はどうにかなるだろうみたいな考えで漫画を描いているところがありますね。一回キャラさえ出来てしまえば、そこから先は勝手に話は転がっていくという気持ちが強いです。

最近は『琴浦さん』を筆頭に、連載量がどんどん増えていっています。何か苦労していることはありますか?

えのきづ実際に連載として動いちゃっているものについては、それこそキャラクターができているのでそんなに苦労はしないんです。逆に苦しいのが、今から新規で描いてくださいというものですね。実は今も水面下で色々やっているんですけど、なかなかキャラが動いてくれなくて苦労しています。

それらの作品が早く日の目に出て欲しいですね!現在連載中のもので一つ取り上げると、月刊アクションで連載中の『アクレキ』は、2011年に出された同人誌がベースになっているようです。

えのきづ元々本当は、双葉社さんの別雑誌で4コマを描かせて頂く予定だったんですね。ただちょうどその頃、ちょっと調子に乗っていたというか(笑)、「最近4コマばっかりで飽きてきちゃったんですよね~」みたいな感じのことをつい言っちゃったんです。そしたら編集さんに「それならストーリー漫画でも良いですよ」と言われて、その時は、またまた~という感じで笑って終わったんですけど、次に話が来た時に「編集長の了解もらいました!新雑誌やるんでそちらにお願いします」と担当さんに言われしまって、気が付いたらそちらで描くことになってしまいました(笑)
それで連載前の準備作業として、まずは編集さんにプロットを出さないといけなかったんですが、会う当日まで連載案が全然思いつかなくて……何も持っていかないのもどうだろうと、苦し紛れに昔描いた同人誌を持っていったんです。そうしたら「これでいきましょう」と採用されちゃって(笑)

先生としても予想外の展開だったんですね(笑)
そういえば、現在連載中の『桜乃さん迷走中!』も『アクレキ』も、女の子二人が「同棲する」という要素が同じですね。何か理由はありますか?

えのきづそれはわかんないですね(笑) 描いてたらそうなっちゃうとしか。多分話が作りやすいんですよね。別々に住んでいると、まず会うところから描き始めないといけないんで、やっかいなんでしょう。同棲してたら、基本部屋の中で話が全部済むじゃないですか。どれだけ省エネで描くかというのは、自分の一大テーマなので(笑)

長く漫画家を続けていくには、省エネ術は大切な技術だと思います!
本日はありがとうございました、最後に漫画家を目指す学生の方にメッセージをお願いします。

えのづきそもそも漫画家目指さなかった人間が言っていいことなのかっていうのがあるのですが(笑)  それはともかく、漫画家って年なんて関係なくいつからでもやれる仕事ですから、漫画家だけを目指して視野が狭くなってしまうよりかは、いろんなことをやりながらもう一方で漫画を描き続けていた方が良いのではないでしょうか。とにかく、色んな人に見てもらえる場所で描き続けていれば、その内どうにかなっていくはずだと思うので、気軽にどんどん作品を描くのが良いと思います。

しかしそのためには、先生が『琴浦さん』を毎日描かれてサイトに更新していたように、アウトプットを欠かさないことが大切なのでしょうね。

えのきづ多分そこが一番難しいところなので、とにかく続けるというのが大事ですね。

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せんちゃん(眉ほそ)あたたメモ 『琴浦さん』は最初練習用だったというお話がありましたが、今までインタビューをお聞きした先生の中にも、自分すら思いもよらなかった作品が評価され、代表作となっているという事が多々ありました。とにかく、どんな作品であれ原稿という「形」にすることが大切ですね。