現在の漫画界では、2ちゃんねるのvip板から生まれた漫画投稿サイト「新都社」への注目度が日に日に高まっています。ONE先生の『ワンパンマン』に『アイシールド21』村田雄介先生が作画に付いたり、小学館のweb漫画サイト「裏サンデー」に、原作者として次々に抜擢されるなど近年話題には事欠きません。クール教信者先生はそんな新都社作家の1人です。7月に初連載作となる『小森さんは断れない!』が発売され、9月には『おじょじょじょ』第1巻が刊行を予定されるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いのクール教信者先生にインタビューを敢行しました!


クール教信者の「源流」を探る

まずは新都社の存在を知ったきっかけを教えてください。

クール教信者先生(以下クール)元々私は2ちゃんねるで絵を描く人間だったのですが、当時の新都社の本スレが、たとえば「初音ミクアニメ化!!」といった釣りのようなスレタイを使っており、私がそのスレタイに二回ほど釣られてしまったのが知ったきっかけです。

それは、ファーストコンタクトとしてあまり良いものでは無かったと思うのですが(笑) 第一印象はどのようなものでしたか?

クール当時ミクは出始めで旬だったので、それなりに期待してスレを開いたのですが……とはいえ、釣りは慣れっこでしたので。とりあえず新都社の中を見て「こんなものもあるのか」と思いました。当時は、リアルにもネットにも漫画を描く知り合いが一切いない感じでしたし、スレ内で絵描きの人と少しお話したりはしましたが、結局のところ一期一会という感じでした。ですので、この新都社という所は、2ちゃんで漫画を描く人間の溜まり場なのかな、それなら自分にも仲間ができるかなと思って参加してみました。当初は軽く投稿して去るつもりだったので、ここまで長く滞在したのはやっぱり楽しかったからなのでしょうね。

どちらかというと気軽な気持ちで始められたものだったようですが、最盛期には週1~2回更新という非常に早いペースで作品を上げられるなど、かなり精力的に活動をされていました。その原動力はなんだったのでしょうか?

クール個人でやるときに私にとって一番重要だったのは、「描くことを習慣化させる」ことでした。コーヒー飲んだら1p、ゲームやったら1p……といった積み重ねですね。そんな感じで、暇な時間はだいたい描いていました。あとは何というか、それぐらい暇な時間が有り余っていたということ、とにかく自分が描きたいことを描いていたというのが大きいと思います。

更新ペースを守るために、何か自分の中で守ろうとした決まりごとがあったんでしょうか。

クール決まりごとは特にないです。WEBの活動は気ままにやるのが大切だと考えています。

気ままさ・自由といえば、たとえば『ピーチボーイリバーサイド』では恋仲になった主人公とヒロインの「本番」シーンまである訳ですが……

クールWEB漫画ならではの自由さですね。少年漫画的展開もエロ漫画的展開も自由に入れ放題なわけです。一般紙ならばしないといけない自主規制がない、というのも伸び伸びできて良いものです。正直エロいシーンを挟むときが、描いていて一番楽しいですね。

ちなみに、そうやってストーリーに挟んでエロいシーンを挟むのと、単体でエロいシーンを描くのはどちらが楽しいのでしょうか……?

クールどっちも違った楽しさがありますね。エロ単体で描くのは素直に自分の欲求を満たせますし、ストーリーの合間にエロを入れるのは本来ならカットされるべき部分を描写できるという気分の良さがあります。

ちょっと脱線してしまいました。話を戻すと、Web漫画で人気を得るためには内容の面白さは大前提として、更新ペースを上げて人の目に触れ続けるというのはやはり大事なのでしょうか。

クール人目に触れるというのはたしかに大事ですが、私の場合人気を得る為というより、自分の漫画をわかってくれる人を探す方が大事の比重が大きかったですね。

読者の反応がコメントという形でダイレクトに返ってくるのが、新都社をはじめとしたWeb漫画らしさだと思うのですが、コメントにはどれくらい目を通されているのでしょうか?また現在新都社のランキングで上位を維持している本作ですが、それだけたくさんの人が読んでいるということが描くときのプレッシャーになったりはしないのでしょうか。

クールコメントには、全て目を通しています。反応を頂けたことを大事にしたいと感じています。たくさんの人に読まれていることを意識はしていましたが、とはいえプレッシャーはなかったですね。人に見られても問題ないからネットに晒すってことができると思うので。

自分もサークル内で作品の意見を聞いて回ったりすることはあるのですが、やはり人によって感じ方は千差万別のようで、たとえば同じシーンでも全く反対の意見が出たりします。そのようなとき、先生はどのように対応されているのでしょうか。

クール漫画を描く上で、どんな感想が返ってくるのかを予想したりすることがあるのですが、その時はよい反応と悪い反応、両方の予想をあらかじめしておくというのが大事です。実際に描くときは、とりあえず都合のよいことを考えながら描きます。

悪い反応も想定するのはどのような意味があるのでしょうか?

クール良い反応に対しても同じことがいえますが、自分が予想できた悪い反応というのは、それもまた同意できる意見です。ある種、自分の考えに共感してくれている人ともいえる訳です。 それに、感想には二面性が出ることが多いです。「面白かったけどここがこうだったらよかったのに」とか、逆に「つまらなかったけどここはこうしたら面白くはなったかな」といったものは少なからずあります。それぞれ比重はありますが、常に作品に対する感想を、自分の漫画にも自分自身でなんとなく持ちながら漫画を描いているところがあります。これは強く意識しているとかではなく、作品を描く際の前提条件として頭に置いておく、みたいな感じでしょうか。