「パンツを穿かないこと」で起こることの一つとして、四話に出てくる「下着ロッカー」があります。あれは秀逸な設定だったと思います!

紺野実は最初、担当さんに反対されたんですよ。「いや、意味がわからないです」と言われて。意味がわからないと言われることに、僕が意味がわからなくて(笑)。
担当のS尾さんって女性の方なんですよ。だから男にとってここが良いんだってことが、イマイチ伝わりづらい。「パンツを入れるロッカーがあるんですよ、素晴らしいじゃないですか」と言っても通じない。なので下着ロッカーの素晴らしさを、一から説明しないといけない訳です。なんで説明しないといけないんだこんなことっていう(笑)。
なんとかして使ってやろうと思って、出すためにはどういう理屈をこねれば良いだろうと、頭をひねった結果出たのが「痴漢防止」というアイディアですね。

そのおかげで、五話冒頭の素晴らしい登校シーンが出来たと(笑)。いや、本当に妄想が膨らむ舞台設定ですよね。今後の展開などは考えられていますか?

紺野いや、正直最初に考えていたことは大体第一話で描ききっちゃったんですよね。というか、最初の見開きの、「パンツの着用を禁止」という会長の、あのセリフを言わせたかっただけなんです(笑)。前作の「こえで~」の時もそうでしたね。女子高生が「お○んこ!」と言うのを描きたかっただけ(笑)。

一番の大ネタを、第一話で使い切ってしまったと(笑)。

紺野あんまり先の事は考えていないというか、思い付きで話を作っているので後々辻褄を合わせるのが大変です……もうちょっと真面目な話をすると、「こえで~」は「人気が出なかったら一巻で終わるかもしれないので、そのつもりで話を考えてくれ」と言われていたんです。だから一巻分の話しか考えてなかった。ところが二巻以降も出すことになったので、急いで二巻のお話を考えました。それでも続くみたいだったから、ああじゃあもうちょっと考えます、という感じでその繰り返し(笑)。それで結局十巻まで続けられてしまったので、「はかない」もなんとかなるんじゃないかという気楽さでやっていますね。

今後どういった方向に話が転がるのか楽しみです!もう一つ紺野先生にお聞きしておきたいことで、これは前作からも言えることなんですが、紺野先生は成年向け漫画がご出身ながら、必ずしも「エロ」で勝負している訳ではありませんよね。「はかない」でも、いわゆるラッキースケベ的な展開ではなく、あくまで「女の子が赤面するシチュエーション」にこだわられている。このことには何か理由があるのですか?

紺野エロ漫画時代の知り合いが、一般誌に移られてから苦労しているのを目の当たりにしてきて、どうして彼らは上手くいかなかったのかというのを考えた結果、「一般誌ならではの別の柱を何かしら一本作っておく必要がある」と思ったんですね。僕の場合、それが「女の子の赤面」だった訳ですが。
大体エロ漫画家さんが一般に行くと、エロの時についた読者さんの事を考えて、エロい描写が中心の作品を描くことが多いんですね。でも一般誌の限界がありますから、成年誌と比べるとどうしてもエロ描写がヌルめになります。そういう「ちょいエロ」を、一番の見どころにするのは良くないと思うんです。

と、いいますと?

紺野武器としては持っているのは全然良いんです。作品の味付けにエロを付けるんだったら全然良いんですけど、そのヌルいエロを一番の見どころにしてしまうと、もっと激しいエロを成年向けの方でやっていたんだから、エロ漫画で付いてきた読者さんも、それに一般誌の人も、手に取れる年齢の人はおそらくエロ漫画の方を読まれてしまうと思うんですよ。

ただ、少年誌などでちょっぴりエッチな作品を描いている人もいますよね。

紺野そういう人達は、エロ漫画を描いていないから受け入れられるのだと思います。だってAV女優が、普通の雑誌でグラビアやってもしょうがないでしょ?そんなの誰も求めていないっていう話で。女性も我々エロ漫画家も、脱いじゃったらそこで終了、な訳です。

逆にいえば、グラビアアイドルはまだ服を脱いでいないからこそ、脱がなくても価値が出るのだと(笑)。しかし、エロ漫画家さんは中々難しい問題を抱えていますね……

紺野エロ漫画家さんは、僕を含めて大体はエロが描きたくてエロ漫画家になったとはいえ、一般誌に対してもやってみたいなという興味はあるんですよ。それに最近、エロ漫画から一般誌に引っ張っていく流れが出来ているので、挑戦する人は多いですけど、難しさが色々あります。
まず、話が思いつけない。エロ漫画は、話といっても主人公と幼馴染とか高校の同級生だとかその程度で、いうなればそれぐらいで構わない。それプラス、話の筋道が決まっているんですよね。導入があり、そこから舐めて・入れて・出して終わりっていう(笑)。その筋道が体に染みついちゃっている一方、一般誌で描くテンプレが全くない。エロ抜きで話ってどうやって盛り上げるの?という風になっちゃって、最終的に「そもそも面白いって……何?」と思うようになります(笑)。

それはあまりにも根本的な悩みですね(笑)。

紺野エロ漫画の描き方と一般の描き方って全然違うので難しい。一般誌に比べてエロ漫画が簡単だ、という気は全くなくて、難しいとする部分が違いますね。一般誌は何も決まっていないから難しいし、エロ漫画は逆に流れが決まっているから難しい。型が決まっている中で違いを出さないといけないですからね。
エロ漫画の時から自分は絵で勝負出来ないなと思っていたので、シチュエーションとキャラクターでなんとかしようと思っていました。それが、一般に行った時にちょうど活きたのかもしれませんね。

なるほど~、自分に出来ること/出来ないことをキチンと見分けることは、とても大事なことなのかもしれませんね!

本日はありがとうございました。最後に読者の方へメッセージをお願いいたします!

紺野行き当たりばったりな漫画ですが、今後頑張って面白くしていきますので、良かったらこれからも読んで頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします!

az_mangalabo


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