017_43畠山青畝_ある兵士の部屋

作者:畠山青畝

タイトル:ある兵士の部屋

タカヤマ「一目みただけだとなんだか分からないかな」

由利「でもタイトルがある兵士の部屋ですからね。でも戦争に行くって感じはあるかな?」

瀬口「でも軍服とかがありますし、ベッドの上に家族写真と銃があって」

タカヤマ「まず窓からの明かりがあって、一番重要な見せたい写真が陰で隠れてるのは、俺は全然ありだと思うんですよ。でももう少しギリギリまで光が当たっていて顔が見えないとか、センスがあるライトの当て方がありそうな気はしますね。下が石畳で、ベッドの上に置いてあってで、色々段差がある割には、光がそのままストレートに入ったりとかしているので、そういうおかしさみたいなものは感じますね」

瀬口「思いつきをそのまま描いただけのように感じてしまうんですよね」

由利「そして、一番力が入ってるのが石畳のように見えてしまうのも良くないかな」

タカヤマ「でもちゃんと描いてますよね。テクスチャっぽくはない。」

由利「もう少し上手い見せ方があると思うんですよね。窓からの光の一番最適なところ、窓からの光だけでも10パターンぐらい作って、一番良い奴を選ぶぐらいの気概がないと、効果的なものは分からないですよ」

タカヤマ「どういう風に描きたいのかが伝わってこないですよね。あえて短略化して描いてるのか、単純に資料を見なかったのかわからない。これを見る限りでは、単純に資料を見なかったんだろうなと思っちゃうんですよね」

由利「確かに銃とか見てみると」

瀬口「これではあまりにもいい加減ですね」

タカヤマ「あとベッドの脇のテーブルにコーヒーカップがあると思うんですけど、何とも言えない違和感を感じます。あれっ? そんなサイズかなって感じがするし、テーブルが近いなって感じもする。枕の下に写真を隠してあるのもちょっとよくわからない効果だしね。その辺を多分突き詰めないで描き始めた感じだと思います。でも、思いついたコンセプト自体は結構悪くないなと思いますよ。決戦前夜っていうテーマにも合っていると思います。思いついたまま描いてしまって、資料もちゃんと集めなくって構図も再検討しなかった。何度もリトライを繰り返さなかったのが一番の原因かなと思いますね。技術的にはやっぱりこのレベルなんだと思うんですけども、そのものをどうやって表現したらいいかってところの努力を怠っちゃったかなって感じですね。もっと良くはできたはずなだと思いますよ」


 

016_11河井南緒_マチも色めき立つ

作者:河井南緒

タイトル:マチも色めき立つ

由利「残念ながら未完成の部類かな」

タカヤマ「そうですね。この人的には、完成だと思ったんじゃないかなぁ、とは思うんですけどね。コラージュなのかな?」

由利「ですかね。宇宙服の人とか町とか」

タカヤマ「それっぽく仕上げたかったのかなぁっていう感じはするんですけど」

由利「こういうので勝負した割には、残念ながらあんまりセンスはよくないですね」

タカヤマ「センスって言うともうすべてが終わりですよね。デッサンも構図もコメントしにくいし、着彩に関してもそうです。テーマ性に関しても決戦前夜かと疑問になりますから」

瀬口「真ん中のは心臓で、手前のは背骨的な感じなんですかね?」

タカヤマ「なんで宇宙飛行士がガンみたいなもの持ってるんでしょうか?」

由利「病原菌でも倒そうっていう事なんですかね? こういうことをやるんだったら、もっと圧倒的なセンスがないと」

タカヤマ「いわゆるコラージュ系の作品をあんまり見てないんじゃないかなぁっと思いますね。結構コラージュの作品って最近フェイスブックとかで見てるんです。自分がフォローしてる方で何人か作家さんがいらっしゃるんですけど、やっぱりもっと時間と労力をかけていると思いますね。コラージュやりたかったら、もっと真剣にやらないとって感じですね。言い方は悪いですけども」

由利「10個20個似たようなものを作っては壊して、最終的に完成させるんですよね基本的に。だけど、この絵だとそれが感じられないかな。へたうまの人とかも膨大な数描いてそのうちの一枚を見せているだけなのですが、この絵からそういう感じはしないですよね。当然あるとは思いますけど。でもこの若さで、まだ学生さんなわけじゃないですか。その時点でこれだと危ういんじゃないかなという感じはしますね。この路線で勝負するなら、もうこの年にはだいぶ完成されていて、技術がおいつかなくてもすごいって思わせるところがないと、難しいんじゃないかなと思います。二十歳ぐらいまでに環境の中で育てたものが出来上がってないと難しいんじゃないかな。もちろんこれよりはどんどん上手くなっていくと思いますけどね。あと意外と、誰かに師事してたりするじゃないですか? こういうコラージュ作家さんって。だからそういう人の指導がよかったりとか、こういう風にしたほうがいいよっていうアドバイスをどんどん人からもらえれば伸びていくんでしょうけど、今の段階でこの絵に固執していくと厳しんじゃないかな、という気がしますね」


015_7遠藤汐織_鼓舞

作者:遠藤汐織

タイトル:鼓舞

タカヤマ「決戦前夜ではないかな、と思いますけど。絵自体は結構上手いと思います」

由利「こういう絵柄だとすれば、もう一段階ぐらい陰影が欲しいですね」

タカヤマ「陰影をバーッと描き込む必要があるというか、まとめ具合の問題でしょうか? 全体的に構図も悪くないし、女の人も魅力的に描けてると思います。デッサンができてないわけではないと思いますし。おしりと太もものあたりが何となく怪しいような気がするけども、でも結構女性としての見せ所ができてるなって、ライティングも結構うまいですよね。下からライト当たって、こうするとほんとは顔にライト当たらないはずなんだけど、顔はちゃんとライト当てて見せどころを作ってるっていうことや、髪の流れ具合もよくできてると思うんですよ」

由利「だからこそ、もうちょっとハイライト入れて髪の流れとか、ディテールもわかりやすくすればいいんだけど、二段ぐらいの色調のアニメ塗りなのが惜しい気がしますね。絵柄といえば絵柄なんだけど、未完成といえば未完成」

タカヤマ「そうなんですよ。まだ7割ぐらい状態で終わりってしまっているかなっていうのを感じちゃうんですよね。これ結構インパクトあって良いと思いますけどね、こうバンッと眼に入ってくる感じで。でも惜しいかな」

由利「これは俺の好みもあるんですけど、画面が切れるギリギリの所に頭があるじゃないですか」

タカヤマ「多分それはね、足とか腰あたりを描きたかったから、やっぱりどうしても頭のところ詰まっちゃったんじゃないかな」

由利「これはね意外とプロの方もやってくるんですよ。フレームギリギリのところに頭持ってくる。これはね、ちょっと申し訳ないんですけど修正したくなる。結構修正をお願いするパターンの一つなんですよね。頭がギリギリっていうのが」

タカヤマ「実際フレームをはめたら切れちゃいますからね。これだったらもうズバッと頭の上の髪の毛が隠れるくらいの構図にして、もっと体を大きくしても大丈夫かもしれないですね。頭の一番トップのところと上のフレームがギリギリっていうのが、窮屈さを感じてしまうのかもしれません。多分切れちゃうぐらいのほうが、ポーズとか構図を工夫できる。それで顔を大きく見せられたら、結構上の空間を感じさせられる構図になったりするかもしれないですね」

由利「でも、極端におかしさは感じないですね」

タカヤマ「一番女の人が上手いんじゃないかなと思います。好みはあるだろうけど、ムチムチした女性を描きたいんだろうなっと感じました」

由利「あともう意地でも胸の谷間描きたかったんでしょうね。描きたいところを優先させる感じが伝わってきます」

タカヤマ「そういう意味では描きたいものを描いてるのはいいですね」

由利「着色はちょっと惜しいかな。もっときっちり見せる方法がありそうなので、そういったところを模索していってほしいですね」


014_6越智彰子_魔女見習いの工房

作者:越智彰子

タイトル:魔女見習いの工房

タカヤマ「見習いの割にはセクシーな感じですね(笑) 結構熟達してる感じがするかな。良い感じなだけにもう一声、決戦の要素も入れて欲しかったですね」

由利「未完成というのなら未完成、あとこまごましたところいうのなら、体も少しおかしいですね。カードサイズぐらいだったらわからないですが」

タカヤマ「ソーシャルゲームサイズだったらそんなに分からないですが、これで納品ですって渡されて、分かりましたって人はいないかな。もうちょっと描き込んでくださいとは必ず返ってくるでしょうね」

由利「これも雰囲気からしたら、いろいろな小物がごちゃごちゃあるじゃないですか。カードサイズだとしたら重要なのは顔が描き込んであるかどうかなんですよね」

タカヤマ「こまごまに描いてあるわりには、それなりにまとまってるんでそんなに悪くないと思うんですけどね。悪くないんだからちゃんと描いて送ればいいのになと思います。若い頃は自分もそうだったんだけど、途中で送ってくる人がいるんですよ。なんでなんだろうなっと思ってます。漫画家さんで言うんだったら、鉛筆書きのネームを持ってきて、僕こういう漫画描いてるんですよっていわれても、そりゃ正当な評価は出来ないよって話になるじゃないですか。ペン入れトーンまで全部やってきてからが普通じゃないですか。ペン入れ半分しか入ってないものを持ってきて、見てください、僕連載できますかって言われても、そりゃ連載できないでしょって話になっちゃう。たとえ数ページがそこそこ上手くてもね」

瀬口「そうですね。この魔女見習いを描くのなら、やっぱり魔女見習いってどういう子なんだろ? っていうのをもうちょっと掘り下げてほしいですね。デッサンがもうちょっとなのはもう仕方がないので、あとはせっかく細かいところまでモチーフとしてやろうっというところはあるんで、やっぱり皆さんがおっしゃってるように、そこビシッとやってくると、すごい! ってなるのにな、って感じではありますね」

由利「上手くなりそうな気配はしますよね。あきらめずにずっと描いてればですが。これだけ細かいものを綺麗に配置できるっていうのは、センスの部分になると思うんですよ。これができるってだけで相当な能力だと思うので、ぜひ頑張って欲しい」


012_2仲村謙_最後の決戦

作者:仲村謙

タイトル:最後の決戦

タカヤマ「自分のやりたいことを自分の実力の中でやったというのが分かります。多分悪魔城みたいな感じですよね。下に悪の軍勢と向こう側に多分正義の軍勢なのかな。それが戦う感じだというのは想像できますし、だから結構悪くないんじゃないかなと思います。技術的には足りない部分もあるけれど、誠実に自分の技術内でやりたいことをやろうとしている感じがあって、悪くないんじゃないかなと思います」

由利「俺的には、これは何に使うかにもよると思うんですけど、あまり悪の軍勢を手前側には描かないのではという感じはしますね。描くんだとしたら向こう側に悪い軍勢がいて、こちらからそちらに行くんだぞっていう雰囲気のほうが、決戦という感じはするかと思いますね。もちろんどっちが主役かにもよるし、別に両方主役ですから当価値として考えてますっていわれると、どっちでもいいという話にはなるんですけど。個人的には様式美としては手前がこれから攻める側の良い奴が、悪い奴に対して逆転していくぞっていう予兆があったほうがいいかなって気がしますね。そのほうが大きく見えるんですよね、敵が」

瀬口「僕は単純に格好良いな、と思いますね。綺麗にまとまりすぎてる感はありますけど、でも普通に良いなって思います」

タカヤマ「これさっき光の軍団っていっちゃいましたけど、もしかしたらこれモンスター同士の戦いなのかなっとも思いましたね。モンスターVSモンスターなのかなと。人間の世界を描くとしたら、向こうをライトなイメージで描くと思うんですけど、火山が噴火していてとても人間が住めなさそうですから、両方魔物軍団なのかなと。それなら結構良いのではないかと思います。逆に言うと、そこをもっと表現できていればもっと世界観がはっきりして良くなるかなと思います。向こうがちょっと光の点々だけなのでね」

由利「結構遠景のほうがよくかけてるんですけどね。手前が何もないが惜しい」

タカヤマ「あと、ドラゴンの描画がちょっと弱いですね」

由利「剣をかざしていてって感じですね。だからもう少し構図的に上なんですよね。建物の位置的にはいいんですけど、もう少しドラゴンとか首と胴が重ならないようなところが良かったですね」

タカヤマ「人間が手に持った剣で雷を受けてるみたいな感じなんですね。なるほど、そうするとちょっと構図の評価が下がっちゃうな。それならそれをはっきりしなければいけないでしょう」

由利「悪い構図ではないですけどね。ちょっと惜しい感じではあります。タイプとしてはデッサンを判断しにくい絵ではありますね」


011_講評前夜_

作者:只野彩佳

タイトル:講評前夜

タカヤマ「これはまだ途中ですね。ラフスケッチですよ、僕もラフはきたないですけど、もう少し描きますよ」

由利「これはさすがに絵柄としても認められないかな」

瀬口「もう少しちゃんと描こうっていう感じですね」

由利「これでは、評価を受けようって感じではないですね」

タカヤマ「この状態ではわからなくないですか? 出来上がりも想像できないので。でもこれで送ってくるんだったら出来上がりもそんなことはないだろうなって気はしますね。評価する場に出すわけですから、どんなに描きこんでもちゃんとしたものは上がってこないんじゃないかなと。時間があればできたんだって言うとは思うんですけど、期限が来ても上がってこないかもしれないと思ってしまいますね。やっぱり仕事を基準に考えてるんで厳しくなってしまいますけど」

由利「手前がなんか、美術系のクリエイターの人たちがいて上が審査員的な感じなんですかね」

瀬口「構図とかは悪くないんですけどね」

由利「色彩的にはよくなりそうな気はするけど、このままだと未完成すぎて何とも言えないかな」

瀬口「この絵だけじゃないですけど、表情が欲しいですね。みんな表情がない作品が多い。これなんて本当にみんな表情がない。背中ばっかりですよ。そうするとキャラがわからないじゃないですか」

タカヤマ「やっぱり漫画家さんですね。イラストレーターは表情が苦手なんですよ。漫画家さんはやっぱりキャラクター性とかを出すっていうのをよく聞くし」

由利「イラストレーターは意外と女の子とかを描いても目力が弱いですし」

タカヤマ「表情も弱いですね。自分も表情描けないです。難しいですね」

由利「測定不能な感じですね。悪くはないんだろうけど」

タカヤマ「わざわざ大会を開いて募集して労力がかかってるわけじゃないですか。だから、下手でも能力を出し尽くしてるほうが好感を持てます。クライアントの人もそうだと思いますよ。たとえ下手でもやりつくした作品を何回もしつこく持ってくるほうが、じゃあ仕事を与えようと考えると思います。もし仕事をしたいんだったらそれは心がけた方がいいですね」

瀬口「それはもうほんともうマンガでも同じですね」

由利「見てる側も人間だってことを忘れないでほしいです。マシーンじゃないんですよ」


010_shamogin_gaku

作者:鳥井原光二

タイトル:決戦前夜

由利「月が綺麗な絵ですね」

タカヤマ「色調が単調になってしまっているので、もったいないかな、と思いますね」

由利「基本的にそんなに悪くないですよ。見やすければ、もっと上手く描ける感じじゃないですかね」

タカヤマ「仕事にするってなると描画の危うさはあるかな。タッチが細かくパーッと描く感じなので、そんなにおかしくないように見えるんですけど。人とか馬とか服の皴の入り方の端々を見ると、キャラクター一体で描くと結構デッサンおかしくなるんじゃないかな、と思わなくはないです」

由利「もう少しパーツごとで色で切り分けないと見づらいですね」

瀬口「やりたいことと、やるぞっていう気持ちがすごい伝わってくるのが僕は好きですね。ただそれを表現する技術が根本的に足りてないので、そこだけですね」

タカヤマ手前の絵の描き方と奥の絵の描き方がそんなに変わらないじゃないですか、だから前後感があまり分からない。手前をもうちょっと彩度高くしたりとか、色数を多くすればアイキャッチが良くなると思います。右下にいるのは軍勢だと思うのですが多分左下の軍勢と同じように、右下にも集まってきてるんだけど、そういうのを見るともうちょっと考えて描けばよかったのにな、と惜しい気持ちになりますね」

由利「手前の人達が軍旗を持っていて、右下の軍勢にもソレと同じ旗を持たせたら、手前と奥とを結び付けられるんですけどね」

タカヤマ「コンセプトがしっかりしているというのはわかりますね」


009_決戦前夜_関本草太

作者:関本草太

タイトル:決戦前夜

由利「描きたいものははっきりしてるんですよね」

タカヤマ「単純にドラゴン描きたかったっていうのは良く分かります、僕はこういうのが好きなんです! っていう風に描くのは結構僕は好きです」

由利「決戦前夜っていう割には雰囲気がないですよね。予感がないっていうか、ただ夜を散歩しているみたいな。これから何かが始まる感があまりない。そういう意味では空っていうのが意外と弱いのかもしれないですね。予兆がするという感じには」

タカヤマ「単純に夜っていうよりも、朝焼けや夕焼けのほうがドラマチックになりますからね」

由利「これをどうしたら予兆が出るようになるのかわからないんですけども」

タカヤマ「山脈のほうに飛んでいるので、こいつがドラゴンの隊長で敵地に向かっているというストーリーがあるのかもしれないですね」

由利「そうですね。このドラゴンが一匹しかいないので、これが後ろに十匹ほどドラゴンがいればこれから何か始まるんじゃないかという想像はしやすくなると思いますけどね」

タカヤマ「これがドラゴンのボスだっていうなら、後ろだけでなく、前にも小柄のドラゴンを散らしておくと、巨大感が出ますよ。月もただ置いておくのではなく、ドーンと真ん中においた方がシルエットもよくわかるし、思い切った構図を取ったほうが格好良くなりますね」

由利「でもまぁヒロイックな感じだし 形もスタンダードなところをおさえてます」

タカヤマ「仕事になるかっていわれると、これから2、3年はかかるけど。こういうものが好きなら描き続ければ、仕事になるかもしれないですね。ドラゴンみたいな空想の生き物って、参考にするものがないので形をとるのがまず難しかったりします。そういうものを一生懸命やって、取り組んでるっていうのは嫌いじゃないです」

由利「こういうのはやっぱり真似して取り込んでいかなければならないところもあるので、今は多分自分の感覚と手癖みたいなので描いてますけど、デザインとかやっぱりいろいろ参考にしながら描き続けていって、それから自分のスタイル確立していったほうがいいですね」

タカヤマ「好きなものを描いてるところが好感を持てます」

瀬口「そんな感じですね」


008_わたしの決戦前夜_上原七月

作者:(希望により記載なし)

タイトル:わたしの決戦前夜

タカヤマ「日本画風というかイラレで描いた風というか浮世絵風という感じですね」

由利「体型とかも、ちょっと指先とか力入った感じが、ぐにゃぐにゃってなってて、こういう絵柄とするんだったら面白いっちゃ面白いですね」

タカヤマ「色が綺麗ですね、まとまってて綺麗とは思います」

由利「ほかにもあったんですけど、決戦前夜を告白の前日みたいなものとする捉え方はいいかなと思いますね。多分この画風の人だと決戦前夜だからって戦場の絵とか、この絵柄と合わなそうじゃないですか。だけど自分の土俵にちゃんと引っ張り込んでいるっていうの良いと思います。あとはやっぱりテーマが決戦前夜ですってサイトがあって、ドラゴンとか描かれてたじゃないですか。それに囚われないっていうのはいいのかなと思いますね」

タカヤマ「よくよく見るとネクタイをつかんだりとか、手紙を持ってる手をぐってやってるのとか、自分なりに表現しようとしているのはあると思うんですけど、よくよく見ないと分からないじゃあないですか。その辺がもっと見る人に伝わりやすく描いてあると良くなりますね。腕や太ももがぐにゃってしてたり、ぼこぼこしてるのやっぱり気になるじゃあないですか、わざとなのかちょっと判然としないところがあってそこは自分は評価しにくいですね」

由利「これもちょっとライティングの問題もあって、表情が見えてたらもっと違うかもとか思います。あと、体にライトの描き込みがあれば、もっと体の指とかのシルエットもわかりやすいから、指に力がはいってるのもわかりやすいですし」

タカヤマ「やっぱりこういう風に浮世絵風にやりたかったんじゃあないですか? ライティングで立体的には描きたくなかったのかなって感じはしますけどね」

瀬口「表情がわかればな、とは思います」

タカヤマ「バランスは結構いいなと思いますね」

由利「これ相当こなれてますよ。人体の崩し方とかわざとやってるんだったとしたら、こういう絵柄の人なんでしょうし、背景とかもこういうのを描き慣れてるの可能性もありますね」

タカヤマ「もうちょっとこの女の子がどういうキャラクターなのかっていうのを、ポーズとか服とかでもうちょっと表現してほしかったですね」

瀬口「こういう方向行きたいのなら、リトライを繰り返していけば結構仕事になるのかもしれないですね」


007_たった二人の革命前夜_中川遥

作者:中川遥

タイトル:たった二人の革命前夜

由利「見るポイントがちょっと難しい。後ろに光源みたいなのがあったら余計わかりにくいし、構図が悪いですよね。右側に変に光があるから、ちょっとおかしくな感じになってるんですよ。何の光かもわからないし、木の後ろから本来は当たってるんだろうけど、逆光ではないし。ライティングはよくわかんない感じになってるかな。でも、タイトルが良いですよね。ネーミング的には、これでもう少しなるほど感があればもっと良かったです」

タカヤマ「このコンテストの大体の作品って、なんとなくストーリーがわかる感じがするじゃないですか。でもこれは何をしているのかがよくわからない。どういうシチュエーションなのかがわからない。キャラクターがどういうキャラクターなのかがわからない。はじめは屋根に手を伸ばしてるのかと思ったんですけど、これブーメランなんですね。犬かオオカミなのかわからないんですけど、共に戦う仲間なんだろうけども、ただの森なので戦う相手もよくわからない。戦争に行くのか狩りに行くのか何しに行くのか。後ろに木の間から戦場が見えるとかあったら、ストーリー的なのがでてくるんですけど、ちょっと自分のブーメランを手入れしてるだけなのかなって思っちゃいますね」

由利「左手にナイフ持ってるから削ってる最中なんですかね」

タカヤマ「出来を確認してる感じなのかなって」

由利「もしかしたら右にライトがあるのもそういうイメージなのかもしれないですね。そこに村とかがあって、ちょっと明るく光っててそこに襲撃をかけようとしている、そういうイメージで光ってるっていうのもあるかもしれないんですけど、絵でもう少し説明してくれればっていう感じですかね」

瀬口「雰囲気から逃げている感じもしますね」

由利「本人の中ではイメージがあるんでしょうけどね。イラストなんで伝わらないとしょうがないですよ」


005_決戦前夜_大貝優乃香

作者:大貝優乃香

タイトル:決戦前夜

由利「こういう画風の人たまにいるじゃないですか。とはいえ、やっぱり見せたいポイントだけもう少し描き込めば、全然違うのかなって感じがしますね。全体的にちょっとざっくりしすぎていて、こういう絵柄だからっていうのだけでは見過ごせない感じではあります」

タカヤマ「非常に厳しい言い方をすると、ちゃんと完成した物を送ってきて欲しいです。結局完成品を見てないので何も言えないっていうことになってしまう。ただ全部がざっくりしすぎているので、どこかに細部のこだわりっていうもが欲しいですね。たとえば衣装はこだわりましたとか、建築物はこだわりましたとかっていう何か一つポイントを作ってあげると、ずっと画面が締まると思うんですけど」

由利「個人的には顔と胸回りさえ描き込んであれば、確かにざっくりした絵柄ではあるけど、こういう絵柄の人なんだろうなってぐらいには納得すると思うんです。けど、今の状態ではやっぱり描きかけかな、と思ってしまいますね」

瀬口「やっぱり服のデザインとかももうちょっと凝ってほしいところがあります」

タカヤマ「構図とかライティングとかはそれなりに考えてるとは思うんですけど。たとえばこれを見せてもらって、アドバイスくださいって言われて、もし自分がアドバイスしたら途中で、本当はこうやりたかったんですって言われてそうで、あまり多くを語れないですね」

由利「構図も惜しいんですけどね」

タカヤマ「悪くはないですよ。視点も一番後ろに控えてる女の子にいきますし、その周りにその僕的なのがいるんだろうっていうのもわかるんだけども、まぁとにかく終わってないでしょっていう話になっちゃうかなと自分は思います」

由利「左側の子がもう少し左で、手前の子はもう少し大きくて、多分下のほうにあってもいいんじゃないかなと、ちょっと惜しいぐらいの感じですね。嫌いではないですね。でもデッサンがわかりにくい」

タカヤマ「どれも全部描いてくうちに変えたりするじゃないですか。でも、まずそこまで行ってないと思います」

由利「結構色彩のバランスとかも良いんですけどね」


004_決意と共に_森近秀人

作者:森近秀人

タイトル:決意と共に

タカヤマ「よくまとまってると思いますよ。多分持ってる技術と能力を全てつぎ込んでいて、よくできてると思います。これだったら今後普通に頑張っていければ、今の流行のソーシャルゲームの仕事とか来ると思います。具体的には、基本的に立体表現がいまいちっていうところと、甲冑の構造がどういう風になってるかっていうところが課題点ですね。こういう描き方をしているってことは、ある程度写実的に描きたいはずですから。後ろの騎士の甲冑はおそらく資料を見ながら描いてるんでそれなりの形にはなってるんですけど、手前の甲冑がどういう形になってるかがよくわからない。主役なので特別な甲冑なのだと思います。ほかの雑魚兵とは違うようなものとして差別化してやろうとしてるんだけど、どのような構造かはっきり認識できていないのでは無いでしょうか?、格好良くしようとしてもうまく処理出来ていないところが有るかなあるかなと、描けているだけにきびしめな感想で申し訳ないですが」

由利「そのまま最初に鎧から描いちゃってるから、体が中に入っているのを想像すると、すごい変な体型してるんですよね。だからもう少し基礎力みたいなのが必要という感じではありますね。でもまとまっているし見せたいものはちゃんと分かるので良いと思います」

タカヤマ「そうですね。自分はこの絵は結構評価高いかな」

瀬口「格好良いですよね」

由利「ちゃんと手前の人と遠くの人で明度とか彩度とかを切り分けてるし、カードイラストとかの仕事絵がどういうモノかっていう事を研究されてる感じですよね」


003_祈り_星河明

作者:星河明

タイトル:祈り

由利「これも結構綺麗ですよね。まぁパッと見ですけれども。結構構図もいいですよ。でも、手前の蝋燭がいまいち、効果的じゃないんじゃないかな」

タカヤマ「構図的に何を見せたいのかがわかりにくくなっているっていう感じですね。祈りだったらこの女性が左に寄っていてももいいんだけども、もっと目立つように描いたほうがよかったかな、と思います」

由利「僕は逆に、一発目でやっぱり顔に目が行って右に流れていくじゃないですか、構図的に視線の誘導が結構いい。アーチ状に視線が移っていく感じがいいかなと思いました」

タカヤマ「でも普通にこの横長の絵でその発注したとしてこのラフをもらったとしたら、自分だったらリテイクは出すかな。特別な視線誘導のある広告だったらこれでいいと思うんですけど、そういうわけじゃなく、パッと見たときに特別見せたいところにライティングが偏っているわけでもない。女性が左にいることによって効果的に、ブーケが靡いててその中に幻視しているような感じですが、良く見ないと分からないのはちょっとマイナスかな、コンセプトはしっかりしてそうなだけにそれがわかりやすい構図にしてほしかったです」

瀬口「やりたいことがすごくわかりやすく、良いと思います。技術もあるんで、あとはバランスがすごい惜しいっていう感じですね」

由利「手前の蝋燭がやっぱり視線誘導させるならさせるで、なんか邪魔なんですよね」

タカヤマ「ちょっと手前がスカスカになっちゃったから入れた、みたいなところは感じてしまうかな」

由利「多分そこもあって、女の人の顔に目がいかないっていうのがありますね。技術的には全然大丈夫です。デッサンは多少怪しいですが」