043_33石田早貴_胸騒ぎ

作者: 石田早貴

タイトル:胸騒ぎ

由利「これも一目では分からないかな」

瀬口「うーん」

タカヤマ「特に左下の女の子がちょっとわかりづらいですね。どんなシチュエーションなのか想像しづらいかな」

由利「本人的には真面目に描こうとしているというのはわかるんですけど」

タカヤマ「どうなんだろうなー」

ここでしばらく絵を理解するために、先生方の間で見解を言い合う。

由利「左下の女の子は塔にいる魔王を見上げていて、勇者は塔に向かい、それを魔王が待ち受けているって感じなんでしょうね」

タカヤマ「難解ですね」

瀬口「おそらく、女の子2人と、魔王はそれぞれ好きな人を見てる感じではないですか?」

タカヤマ「それは想像できるんですけど、俺は最初、左下の女の子がいきなり空から降ってきてるのかと思ったんですよ」

由利「これは、やっぱり絵としての見せ方が悪いんですよね」

タカヤマ「自分はそう思います」

由利「でもどうですか。一枚のイラストで複数のシチュエーションや場所を描くのって、無謀だなって思いましたよね。これだったらむしろ、くっきり分割してしまうとか、別の方法を考えるべきだったのかと思います」

タカヤマ「そうですね、これなら漫画みたいにコマで割ってあったりとかしてたほう見やすく分かりやすくなると思います」

由利「もう少し説明的になれたかもしれないですね。魔王の背景も勇者達のと同じものでつながってしまっている。これは構図がいけないですよ」

タカヤマ「確かに、構図が悪い。魔王のキャラのデザインとか自体はそんなに悪くはないんですよ、ちょっとありきたりではあるかもしれないけど。デッサンもそんなに狂ってはいませんし」

由利「描きたいことについて、いまいち力がついてこなかったんでしょう」

タカヤマ「色もそんなに変ではないし」

由利「あっさり気味ではありますけど、全体的な絵の見せ方を勉強したらもっと良くなっていけるはずです」


042_27小川陽香_夢への奮闘

作者:小川陽香

タイトル:夢への奮闘

タカヤマ「この絵も一目では分かりにくいですね」

由利「視点がどこにも定まらない感じになってしまっている」

タカヤマ「やりたいことはわかるんですよね」

由利「まず女の子に目がいって、その周りを見て、最後に天井に移るぐらいが理想なんでしょうけど。それが上手く出てないですよね」

瀬口「そうですね」

由利「しかし、最初の魔女見習いから数えてもう魔女3人目ですよ」

運営部「魔女人気ですね」

タカヤマ「確かに」

由利「複雑な構図さえ選ばなければ、もっとわかりやすくなると思います。これも見せ方の問題ですね」


039_23山本菜央_星に願いを

作者:山本菜央

タイトル:星に願いを

タカヤマ「これも単純に良いと思いますよ。水彩も上手く使っていると思いますし。でも、構図が左に寄り過ぎてると感じてしまうかな」

瀬口「全体的な雰囲気もまとまっていますね」

タカヤマ「上手くいったらイラストの投稿雑誌の表紙とかやれるんじゃないかな」

由利「でも厳しい意見になりますが、特出した何かは感じないですね。模様とかも、こういう絵を描く人は変質的にこだわったりする人が多いじゃないですか。そういったものも伝わってこないので。こういう絵に憧れてこういう絵を描いてる領域を出てない感じ。自分の中から沸き立つものがない。単純にこういう絵をいっぱい見てきて、こういう絵を描きたいなって思ったものの延長線上でしかないように思えます。オリジナリティに欠けるというか」

タカヤマ「自分がこうしたいってのが、まだ表現できてないと」

由利「下手したら、本当は描きたいものじゃないって可能性を想像するぐらいですね」

タカヤマ「それ以外には、星に願いをってタイトルのわりには、後ろの骸骨の意味もよく分からないですし。テーマ性という部分ではわかりづらいかな」

瀬口「着色ですけど、アナログは評価しづらい部分も多いですが、良いと思います」

タカヤマ「でも上手くなると思いますよ。女の子の描き方も上手くなるんじゃないでしょうか。これから枚数重ねていけば」

由利「私はやっぱり絵からこだわりが感じられないですかね、もっとゴリゴリと描いてる感じがほしいです。本気の人の本気の表現がないんですよ」


038_25十鳥まさを_夜に潰される

作者:十鳥まさを

タイトル:夜に潰される

由利「これまた分かりやすい、若者特有の傷つけられた感が出ていますね」

タカヤマ「これは血ですかね」

由利「でも決戦前夜ですからね、もう少し何か……」

タカヤマ「追い詰められて反撃するぞ、みたいなものが欲しいですね」

由利「血を流しながらも、ガラスを握りしめてるとか」

瀬口「うんうん」

由利「これだと、もう絶体絶命的な絵にしか見えないんですよ」

タカヤマ「背景が単純に岩だけじゃないですか。どういうシチュエーションでどういう風に追い詰められているかわかりづらいなと感じました」

由利「だって扉があるわけですからね。扉の向こうにガラクタとか岩あるんだみたいなのは違和感が出てしまう」

瀬口「おそらくイメージ映像なんでしょうね」

由利「精神的な問題を描いてるというか」

瀬口「でもそれならもっと、イメージ映像らしい表現が欲しい所ですね」

タカヤマ「悪くは無いですけど、もっと色々と詰めるところはあったんじゃないでしょうか」

瀬口「もう少し絵の中に情報量がほしいですね」

由利「暗いからこそ、よくよく見たら何かいるとか」

タカヤマ「後ろに何かいるとか、白骨死体があるとか拷問器具があるとかですね」

由利「じっくり見ても何も浮かんでこないのは、面白みがないですよ」

タカヤマ「周りが岩ですからね。その岩もポリゴンチックであまり描き込まれてないですし。女の子を描くのに全ての力を使ったように感じてしまうかな」

由利「やっぱり精神世界的な感じなんでしょうね」

タカヤマ「画面内のライティングや小道具も色々意識して血もドバーッというよりも、ポツポツあった方が効果的かなとは思います」


037_22三井瑛乃_最終手段に惚れ薬

作者:三井瑛乃

タイトル:最終手段に惚れ薬

由利「俯瞰で見せるのはいいんじゃないですかね、シチュエーション的に見たらなんで上向いてるんだろう、とかはあるんですけど」

タカヤマ「個人的にキャラをずらした部分に網トーン使うの、自分は古く感じてしまいます」

瀬口「確かに懐かしい感じはしますね」

由利「あんまりフレッシュさはないですね」

タカヤマ「結構私たちが若い頃からある表現方法じゃないですか、少女漫画とかで」

由利「ずっと見てきて思いましたけど、意外とそんなに昔と変わりはないなと思いました。もっと今時感ある作品が来るのかなと思ってたんですけど」

瀬口「あー、それは思いましたね」

由利「テーマ性としては、最後の手段として惚れ薬を用意してますよ、って感じはいいんじゃないでしょうか」

タカヤマ「デッサンも破綻してるところはありますけど、そんなにおかしくも見えないですね。だから、あまり悪くもないのかな。色の具合も古臭いとは思いますけど、まとまってはいるので」

由利「個人的にはもう少しだけ引いた絵にして、室内とか描いていただきたかったですね」

タカヤマ「情報量が少ないですからね、キャラクターに寄せすぎてるんじゃないかというのはあります。まあ描きたいものが単純に女の子で、それ以外描きたくなかったと考えると、それでもいいのかなと」


036_21佐藤真奈_決意

作者: 佐藤真奈

タイトル:決意

運営部「ナポレオンですかね」

由利「オッドアイが描きたかったんでしょうか」

タカヤマ「顔を描きたいならもっと上手くないと、ってなってしまうんですよね。これだけアップでやるなら、魅力的に描けないと評価に繋がりにくいです」

由利「でも、顔のアップを描いてくるっていうのが評価できると思いますよ」

タカヤマ「確かに、勇気はありますね」

由利「顔の中のデッサンが剣で分割してるからわかりづらいけど、ちょっとおかしいかな。でも、これぐらい個性があったほうが私は好きですね。ガツンと来ます」


035_20高橋睦_出端の幕

作者:高橋睦

タイトル:出端の幕

タカヤマ「これは色は水彩ですか?」

運営部「水彩で、スキャンしたものでしょうね」

タカヤマ「タイトルはなんて読むんでしょう?」

運営部「でばた、ですかね」

タカヤマ「どういう意味なんでしょうか」

由利「描かれてるのは女子高生ですよね」

瀬口「それにしては、相撲の行司が持ってるようなものを持ってるし」

タカヤマ「肩も甲冑みたいなものがついてますね」

瀬口「エアコンがあって、お城があって、甲冑があって、という」

タカヤマ「オリジナル世界観かな。戦国女子高生的なもの」

運営部「調べたところ、歌舞伎などで、主役が登場する時を出端というらしいので、そんな意味でしょうか」

瀬口「じゃあ、真打ち登場的なイメージですかね」

運営部「芸能で登場するときや退場する時の舞踊や音楽って意味もあるみたいです」

タカヤマ「真打ち登場のわりには、結構地味に出てくるなと感じてしまいました」

由利「でも、この脱力感が女子高生っぽくていいんじゃないですか。いよいよ出てくるとなっても、ダラっと出てくるというのが今時感があるのかも。気張ってこないとか」

タカヤマ「それではちょっとキャッチーさが足りなくないですか? 主役はやはりバーンと見せて欲しいと思います」

由利「結構今時の漫画とかって、ガッチリ熱血漢みたいなのよりも、飄々とした主人公の方が人気出るじゃないですか。そういうのに影響されてると、こういうのになるのかなと」

タカヤマ「だとしても、しつこいようですがもっと見る人の目をひきつける構図や色彩にして欲しかったですね」

由利「でも、そんな感じの漫画も多くないですか? そういうのが受けるっちゃ受けるんじゃないですかね。私たちの年代とは違って」

タカヤマ「その設定はありかもしれないですけれど」

由利「私はキャラとしてこういうダラっとしたのは良いと思いますけどね」

タカヤマ「演出の仕方とかはどう思いますか?」

由利「別にいいんじゃないですかね。キャラの表現としても、うんこ座りする女子高生とか、ダラっとしていて」

タカヤマ「俺は背景とかの世界観を描きたいのか、ダラっとした女子高生を描きたいのかが、ちょっと中途半端になってると思いますね。水彩なのでどうしてもぼやっとしてしまうのかもしれないけど」

由利「着色はアナログだと判断しづらいことろはありますね。まあ、見難いことは見難いかな」


034_19高垣智子_支度

作者:高垣智子

タイトル:支度

タカヤマ「水彩絵の具のような絵ですね。マタギ的な」

由利「ですね」

タカヤマ「犬が可愛い」

運営部「結構、犬がお好きな感じですか」

タカヤマ「いや、描いてる人は好きだから入れてるとこあるじゃないですか。描き方が愛情溢れる感じがあるんですよね。それが見て取れる感じですよね」

由利「人物とかが変にリアルなんで、惜しい感じがします」

タカヤマ「決戦前夜と言うなら、ドラマチックに描いて欲しかったですね」

由利「今のままでは、猟に行くぐらいの雰囲気ですよね」

タカヤマ「やっぱり決戦なわけですから、生きるか死ぬかぐらいでないと。もっと強い意志が目に宿ってるぐらいは見てわからないといけないと思います」

瀬口「悪くは無いですけどね。でも、言い方は悪いかもしれないけれど、学校の授業でお父さんとお母さんを描いたような絵になっってしまっている」

タカヤマ「確かに、日常的な感じがしますよね。やっぱりイラストで一枚絵なので、パッと見で「お?」と思わせて引きこませるものが必要なんですよ。真面目で一生懸命描いてるんだけど、その中でもキャッチーなものはどうしても欲しいです」

瀬口「もうちょっと遊び心を持って描くといいんじゃないでしょうか」

タカヤマ「そうですね。この絵を描いた人は真面目なんでしょうね」

瀬口「うんうん」

由利「男の人の顔が、リアルのなのは似合わないというか……。この人のタッチは、少し崩した感じのほうが似合う人だと思うんですけどね。真面目だから描いてしまっているというか……。あの犬の雰囲気とデフォルメ感で描けばいいと思うんですよ」

タカヤマ「それだとほのぼの漫画っぽくなっちゃいますけどね」

由利「決戦前夜というテーマとしてはダメなんでしょうけど、絵柄的には合うだろうなって思うんです。リアルさが板についてないんですよ。こういう絵こそもっと崩した感じで、絵本などの挿絵にいけばいいとは思いますね。あの犬とかは相当色を頑張ってますけど、崩してるじゃないですか」

タカヤマ「シリアスに演出したかってけど力足らずという印象でしょうか」

由利「描きたくても描けなかったという?」

タカヤマ「リアリズムのようなものを出したいんだろうけど、そこまで知識や技術が追いついてないという印象ですね」

由利「今の状態だったらリアリズムは捨てたほうがいいんじゃないかな、と思います。犬の感じで人間もかけたら結構良いとは思うんですけどね」


033_44前富田千風優_美術大學受験前夜

作者:前富田千風優

タイトル:美術大學受験前夜

タカヤマ「これは普通に上手いですよ。でも、もうちょっと女の子にクローズアップしても良いかなとは思いました。女の子を大きく見せるような構図にするとかですね」

由利「見せ方という面で少し力不足なのかな」

タカヤマ「でも単純に上手いとは思いますけど、美大受験は良いとして、なんでランタンなのかなとかは思ったりしますね。装置として使ってるんでしょうけど」

由利「そういったところで微妙に配置が下手な気もしますけどね」

タカヤマ「単純に、美術部にいたんだろうなっていうのは伝わってくる絵ですね」

由利「不安だから鉛筆を何本も削ってしまう、というような」

瀬口「あー、なるほど」

由利「それ以外には、部屋の狭さとか、カレンダーの配置とか、色々とこのままでいいのかとは考えたりはしますけどね」

タカヤマ「そういったものも含めて、日常の中の決戦前夜的なものを描いたんでしょうね。テーマの絞り方もいいんじゃないでしょうか、色々言ってしまいましたがこういうのもありだと思います。色も抑え気味で、照明が効いてていいと思いますし」

由利「私はもう少しワンポイントで色とか欲しかったですね」


032_18広畑詩生_結婚前日

作者: 広畑詩生

タイトル:結婚前日

タカヤマ「ちょっとわかり辛いかな」

瀬口「コメントに困る感じですね」

由利「なんですかね。とても巨人に見えるんですよね」

タカヤマ「たしかに大きく見えますね、構図も真正面以外に他の方法もあったんじゃないかと思います」

瀬口「うーん……。別に真正面でいいとは思うんですけど、なんでこんなに引いちゃうのかな、っていう気はしますね」

タカヤマ「なるほど。キャラクターの表情とかがあんまり分からないぐらいまで引く必要はあるのかなということですか」

瀬口「そうですね、基本的に漫画って、やっぱりキャラを通して何かを描くってことなので。例えば決戦を描くにしても、キャラのポーズだったり、キャラがどんな人なのかっていうのを描くことで、その決戦を描くっていう手法なんですよ。だからあんまり周りとか、シチュエーションとか、雰囲気・空気とかに、重きを置いちゃうと、じゃあキャラはどうなるの? みたいな感じになっちゃうんですよね。だからそういうところはイラストとちょっと違うかもしれないですけど」

タカヤマ「キャラありきで、周りを構成していると。それを決めていくことで絵になると」

瀬口「そうですね」

タカヤマ「これだと、キャラも薄いし、どういう子なのかも分からないですよね」

瀬口「はい。やっぱり、髪型だったり、着てる服だったり、住んでいる家なんかも、それでキャラを立てるのであれば、やっぱり必要だと思いますけどね。そういう所で、あんまり引く必要性を感じない絵だなー、と思います」

タカヤマ「これは寝てるんですかね? それとも、これ掛けてるのは晴れ着か何かなんでしょうか。着物のようにも見えなくもないですし」

瀬口「着物っぽいですね」

由利「布団ではないですね、これ。話は変わるんですけど、さっきから手前のシルエットが人に見えてしょうがなくて。それで巨人のように見えてしまうんですよね」

タカヤマ「これは雛人形的な何かじゃないんですか? 嫁入り道具的な小物が置いてあったりとか」

由利「そうなんでしょうけどね。でもそれがロボットの格納庫みたいに見えちゃって、それが取り払えないんですよね。まあ、もちろんパースがおかしいってのもあるんでしょうけど、違和感があるんですよね。絵本とかならありなんでしょうが」

タカヤマ「一枚でどんな状態で、どういうキャラなのかっていうのが説明できてないと思います。自分の付けた点数の低いイラストは全部そうなんですけども、これもやっぱりそうなのかなって。今回のテーマは決戦というものがあるわけで、難しいとは思いますがシチュエーションを書く訳です、いつどこで誰が何をしているかが出来るだけわかるように描くっていう。次回は他者がみて理解できるかっていうのを意識して描いてみて頂きたいです」

由利「こういったものを描いてるわりには、ストーリー感もないですね」

瀬口「やっぱりちょっと、舌足らずかなって気はしますね」

運営部「絵として説明不足ってことですか?」

瀬口「例えば、この家を出て行くんであれば、やっぱり結婚することによる嬉しさもあるわけじゃないですか。でもこれだと、ただ嫌がってるようにしか見えなくて。だからもっと説明がほしいですよね」

由利「不安感は感じるんですけどね」

タカヤマ「自分なりに読み解くと、この子は幼くて、嫌々ながらも結婚するっていう覚悟を決めて、子供時代に別れを告げるみたいなイメージにしたいのかなというのは思うんですけど。この状態では、舌足らずだと思います」


031_17工藤晃生_最終面接へ…

作者: 工藤晃生

タイトル:最終面接へ…

由利「ちょっと永井豪チックな」

タカヤマ「サラリーマンの戦いみたいな感じなのかな?」

運営部「これは就活でしょうね」

タカヤマ「あ、就活か」

瀬口「なるほどなー、でも落ちた人は死んでますね(笑)」

タカヤマ「それでタイトルが最終面接か」

由利「なるほど。大学生的な発想なんでしょうね。でも、マンガチックだし良いかな」

タカヤマ「色使いといい、タッチといい、諸星大二郎をちょっと彷彿とさせるような」

瀬口「いいんじゃないですか」

タカヤマ「分かりやすくはありますよね、魅力的かって言われるとちょっとな、とはなりますけど」

瀬口「そうですね」

由利「でもどうかな。これが漫画家さんとかで、この絵が表紙の漫画とかあったら読んでみたくなる感じですね、俺は。こういうサラリーマン漫画なんだろうな、といのは想像できますし」

タカヤマ「悪くは無いですが、このままの雰囲気だと仕事になりにくいかなと自分は思ってしまいます」

由利「うーん、そうかな」

タカヤマ「後ろにドクロとかやってるのは悪くないと思うんですよ。だけど、もっと魅力的に演出したらいいんじゃないかな、と思いますね。例えば、もっとこう、スターウォーズチックに、もっと馬鹿っぽくというか、わかりやすく構成してあげるとか。色も暗いんで、別に下にドクロがいっぱい転がってても、おどろおどろしくする必要も無かったりするわけじゃないですか」

瀬口「うんうん」

由利「個人的にはこれだけ顔が真っ黒でも、メガネが真っ白なんで、それで保ってるというか、絵としてはそれで保ってるので、暗いのはあまり気になんないですよね」

タカヤマ「悪くはないんだけど、俺は好みじゃないっていう」

瀬口「やっぱ、イラストレーターとしてやっていくんだったら、ちょっと技術的な部分が足りないっていう感じですか」

由利「そうですね」

瀬口「ですよね」

タカヤマ「テーマ性は良いですよ。テーマははっきりしている感じがしてます」

運営部「イラストレーターの方が描く一枚絵と、漫画家の方が描く巻頭カラーの表紙とかの一枚絵って、全然意味が違うんですか?」

瀬口「なんですかね、基礎的なスキルがイラストレーターの方が基本的に高いものも要求されると思うんですよ。漫画だったら、例えばギャグ漫画なら色んな絵があっても全然いいじゃないですか。そういう求められる前提が違うんですよ」

運営部「なるほど」


030_16金子佐保_鞍天

作者: 金子佐保

タイトル:鞍天

由利「これはなんて読むんですか?」

運営部「多分“あんてん”ですかね」

タカヤマ「分かりづらい絵になってしまってますね」

由利「前夜っていうよりは、なんか後っぽいですよね」

瀬口「そうですね」

タカヤマ「結構漫画っぽい構成の作品だと思うんですけど、どうですか漫画家さんから見て」

瀬口「デッサンとか技術的なところはしっかりしてると思うんですけど。やっぱりイラスト的な魅力っていうと別になるんじゃないですかね。やっぱりあとは分かりにくいっていうのと、キャッチーさがもうちょっと欲しいですね」

タカヤマ「なんとなくやりたいこと、雰囲気は分かるんですよね」

由利「昭和っぽい感じ」

タカヤマ「でも、何なんだろうとは思っちゃうんですよね」

瀬口「タイトルにはどんな意味があるんでしょう?」

タカヤマ「多分妖怪とか、伝説的な感じなのかなとは思うんですけどね。絵の完成度具合だったらそれなりに高いところいっている、とは思うんですけど」

由利「使い所も有りそうな気はします」

運営部「鞍天で調べると鞍馬天狗が出てきますね」

由利「なるほど」

タカヤマ「だからその、天狗的な、妖怪、伝記的なもののような感じなんじゃないかな、とは思ったんですよ。でも、それをパッと見で感じさせないのでちょっと分からない」

由利「決戦前夜って感じではないよね」

瀬口「うーん」

由利「分からないですよね」

タカヤマ「鞍馬天狗の映画とか漫画とかを知ってれば分かるシーンなんでしょうか」

瀬口「僕も鞍馬天狗をあまりわからないので」

タカヤマ,由利「同じく分からない」

由利「うーん、構図やデッサンなんかは悪いわけではないんですけど、やっぱりテーマ性として分かりづらいのが良くないですね」